2015年5月24日日曜日

大阪日本民芸館へ



まだ、日本は春かしら。
昨日朝、インドネシアから関空へと帰国し、その足で姫路へ叔母の見舞いに訪れた。昨晩は従兄弟の家へ泊めてもらい、今朝、民芸館へと向かった。只今の展示は「2015年春季特別展 絣の美 ー模様の世界ー」。
昨年、インドネシアはバリ島のテガナン村にて「グリンシン」と呼ばれるダブルイカット(経緯絣)を見て以来、絣織りに非常に興味を抱き、日本の絣を見られる機会を伺っていたので、もってこいのタイミングである。
東京は駒場の日本民芸館には何度か足を運んだことがある。信州松本の民芸館へも一度訪れた。しかし、大阪はおそらく初めてである。おそらくと言うのは、小学生の頃に遠足で日本民族学博物館に出向いたことがあったが、その折にもしかすると民芸館へも来ていた可能性もあると思ったからだ。民芸館と民族学博物館はすぐ隣である。
ともかく大阪日本民芸館へ行ってきた。そして感想から述べれば非常に楽しんだ。
絣の美を堪能できる良い展示であった。1本1本染め分けられたら糸が、織りの中にまさにカスリながら模様を描き、その絣模様の一つ一つが違う動きを見せ、それが見る方の心を動かし魅せる。これほど美しい織物を普段使いで用いていたとは、昔の人はなんと幸せだったろうと思うが、彼らからすれば、何ら特別な事ではなく、常日頃そこにある布として扱っていたわけなのだろうから別段幸福を感じていたわけでは無いのかもしれない。
学芸員の方に少し説明していただき、経絣、緯絣、経緯絣の特徴や見分け方も教えて頂いた。
日本の絣の多くは藍で染められている。防染された箇所が白く残り、模様を作り出す。織る前に頭に模様をイメージし、糸を染め分け織る。その技術、手間、想い。織り上がった布は決して自分の思い通りには仕上がらないという。そのズレが絣の美しさを作り出す。自分ではコントロール仕切れない自然の仕業。人間の仕事と自然の仕業のハーモニーが絣の美しさを確かに作り出していた。